失敗しない枕の選び方①

春眠暁を覚えずと言いますが、ぐっすり眠れるというのは大変幸せなことです。
特に毎日長時間使う枕は、良質な睡眠と健康のためにも、自分の身体にフィットするものを選ぶことが大切です。
しかし、枕にも様々な種類のものがあり、どのように選べばよいのかわからない人も多いのではないでしょうか?

身体と枕の関係

まず、私たちの身体と枕との関係から考えてみましょう。
人間の脊柱は、S字を描くようなカーブになっています。
重い頭や体重を無理なく支えて体にかかる負担を最小限にするためには、
脊柱がS字になる姿勢を保つ必要があります。
寝た時に身体への負担が少ない姿勢を作るためには、
脊柱に合うように寝具と首の間にできる空間を埋められる枕を使用することが重要となります。

脊柱がS字になるように、寝た時にも自然に立った姿勢を保つことが理想です。
その姿勢で仰向けに寝ると、首と寝具の間に1~6cm程度のすき間ができるため、
そのすき間を埋める十分な高さを持つ枕が適しています。
また、横向きに寝たときに首の骨がまっすぐになる姿勢を保つためには、
枕に肩幅程度の高さが必要となります。

頭だけでなく肩上部まで枕に乗るようにするのが、枕の正しい使い方です。
自分の身体にマッチする高さの枕を選ぶためには、実際に寝て試すのが一番です。

また、身体に合っていない枕の使用で首が圧迫されると、交感神経が緊張状態になってしまいます。
脳への血流がスムーズにいかなくなると、頭痛が発生することもあります。
さらに、枕が高すぎる場合はあごを引いた姿勢になってしまい、気道が圧迫されていびきの原因にもなります。
背骨にも負担がかかり、腰痛を引き起こすこともあります。

枕選びのポイントは、「枕の高さ」「大きさ」「素材」「形」の4つです。
最適な枕を選ぶために、どのような点に気を付ければよいのかそれぞれ解説します。

ポイント① 枕の高さ

寝た時に脊柱のS字カーブを維持できる高さの枕を選ぶことが大切です。
性別や体型、睡眠中の姿勢が仰向けか横向きかなどによっても、楽な姿勢をキープできる高さが異なってきます。

一般的に男性の場合、頭を乗せた時に2~5cm程度の高めの枕を選んだほうが、快適に感じる傾向があります。
それに対して、女性は使用したときに1~3cm程度の低めの枕のほうが快適だと感じやすいようです。
これは、男性と女性では頸椎弧(首の深さ)が異なっており、女性には頸椎弧が浅い人が多いためです。

日常的に運動習慣のある人など、頑丈な体格の人は脊柱のS字カーブもしっかりとしている場合が多いため、
高さがある枕がおすすめです。
一方、女性や子どもなど体格がほっそりとしている人には、低めの枕のほうが身体にフィットしやすいと言われています。
自分の体格も高さを選ぶ際の基準にしましょう。

寝た時に仰向けの姿勢をとることが多い人もいれば、横向きで寝ることが多い人もいます。
寝る時の姿勢の癖には個人差があります。
そして、どちらの姿勢をとるかによっても、適切な枕の高さは異なります。

仰向けで寝る人には、側面から見たときに首のS字カーブが保たれる高さの枕が向いています。
一方、横向きで寝る人には、寝た時の首の骨を床と並行に保てる高さの枕が適切です。

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